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「The Making of 紹介ビデオ」

春。それは新入生にとって希望と期待に満ちた季節である。ところが SA にとってのそれは、同じ季節とは思えないほど過酷なものなのであった。
 新入生が入学してすぐ、いろいろなガイダンスが行われる。情報教育研究センターも広島大学の情報教育や設備についてのガイダンスをする。我々 SA は、そのガイダンス用にセンターの紹介用のビデオを制作しなければならな、あ、いや、制作を買って出るのである。
 その紹介ビデオは、シナリオ、役者から撮影、編集まですべて我々 SA で行う。春休みは 2 ヶ月あるのだからかなり余裕があるように思えるが、それ故なのか、いろいろな作業を後に後に回してしまい、今年もまた直前になってその工程の多さに気づくのであった。
 今年のシナリオは、情さん(じょうさん)というリポータが主人公で、その情さんが情報教育研究センターに事件を探しに取材に入るのだが、コンピュータに目を奪われて結局コンピュータを使ってみることになってしまう、というものであった。その中で、自由に使えるコンピュータがある場所の説明や、コンピュータの超基本的な使い方を説明する。
 主人公の情さんは、*HKの人気番組『○んけんぼくの○ち』のリポータ「ちょ○さん」を意識した、「おっす、情さんだよ」というせりふとともに登場するという、インパクトのある人物である。その役には SA のH山君が立候補した。立候補という、自ら主人公をやろうという意志に、我々は驚いたのだが、彼の参加しているサークルのことを考えると、なるほどしゃべることにたけていて、見事に情さんを演じてくれた。
 自称新入生の教育情報(たかやすよしお)という謎の人物が情さんの案内役として登場するのだが、彼が劇中に学内の施設を紹介するときに、総合情報処理センターの英語名の略称 IPC を「いっぷく」と口走ってしまったのを聞き逃さず、以後 IPC のことを「いっぷく」と呼んでいる新入生がいたことを最近になって知って、大変驚いた。それとともに、隠しコマンドをセットしておくことの意義も再確認したのだった。
 撮影が終わっても編集に相当時間がかかる。編集は、ノンリニア編集といってコンピュータに映像を取り込んでコンピュータ上で編集する方法で行う。先生方に夜遅くまでセンターを開けていただき、何度か徹夜をして、完成をしたのはガイダンスのある日の前日の朝(日曜日!)であった。危なー!
 最近になって西図書館の3階がマルチメディアフロアというすばらしい設備を備えた場所として生まれ変わった。すばらしいと歓喜の声を上げたが、すぐに脳裏をよぎるものがあった。今度はそこの紹介ビデオの制作があるのではないかということである。
 とはいっても、ビデオを制作するという作業は、普通はできないことで、なかなか面白い。以前からビデオ編集をしてみたいと思っていたりする人や、新入生全員に顔を覚えられたい人など、興味のある人は是非制作に参加して欲しい。後継者作りに失敗すると、来春もまた大変になる、あ、いやいや、またこのビデオ制作の楽しみを独占することになってしまうであろう。

   情報教育研究センターSA 北臺如法(きただいゆきのり)


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