next up previous contents index
次へ: ファイルビューア 戻る: 日本語の文章入力   目次   索引

編集操作

コンピュータ上では、情報の複製がとても簡単です。今扱っているテキストファイルを例としていえば、以前自分が書いた文章を再利用したり、他人が書いた文章を引用したり改変したりといったことをとても簡単に行うことができます。また、情報を検索することも、コンピュータ上ではとても簡単に行うことができます。原稿用紙100枚に記された文章から特定の文字列を探し出すことは骨の折れる作業でしょうが、コンピュータ上で行えば、ほぼ一瞬で終了します。

ここでは、コピーとペーストという機能を利用して文字情報を再利用することと、検索と置換という機能を利用して文章の中から特定の言葉を探し出し、別の言葉で置き換える作業を行ってみます。

まず、コピーとペーストです。先ほどの項で入力した「くるみ」という童謡には、まだ続きがあります。

まざあ・ぐうす  イギリス伝承童謡     北原白秋訳
「くるみ」
ちいさな緑のお家(うち)がひとつ。
ちいさな緑のお家の中に、
ちいさな金茶のお家がひとつ。
ちいさな金茶のお家の中に、
ちいさな黄色いお家がひとつ。
ちいさな黄色いお家の中に、
ちいさな白(しィろ)いお家がひとつ。
ちいさな白(しィろ)いお家の中に、
ちいさな心(ハアト)がただひィとつ。
入力していないのは後半の六行ですが、これは色の名前が違うだけの繰り返しになっていますね。コピーとペーストを利用して、後半六行を作ってみましょう。

まず、「ちいさな緑のお家の中に、ちいさな金茶のお家がひとつ。」という部分を複写します。マウスポインタを四行目先頭の「ちいさな緑」のすぐ左側に移動します。次にマウスボタンを押し、押したまま「ちいさな金茶」の下まで移動させ、マウスボタンを放します。すると、この二行が反転表示された状態になります。この状態でメニューの「編集→コピー」を選んでください。すると、画面には何もあらわれませんが、選択されている文字情報がコンピュータの中の別の場所に複写されます。この操作を「コピー」といいます。

次に、「ちいさな金茶」の下をクリックして、挿入ポイントを移動させます。そして、メニューの「編集→貼り付け」を選びます。すると、コピーされていた情報が挿入ポイントの場所に複写されます。この操作を「ペースト」といいます。前のステップと併せてこの一連の操作をコピーアンドペーストといいます。

これで、「ちいさな緑のお家の中に、ちいさな金茶のお家がひとつ。」が複製されましたので、「緑」の部分を「金茶」に、「金茶の」の部分を「黄色い」に書き換えます。書き換えが終わったら、「ちいさな黄色い」の下をクリックして挿入ポイントを移動させます。再びメニューの「ファイル→貼り付け」を選択すると、同じものがもう一つ複写されます。このように、一旦コピーした情報は、次に別の情報をコピーするまで保持されています。

この操作を繰り返して、童謡を完成させます。

最後のあたりで「ィ」(カタカナの小さな「い」)が出てきます。これをローマ字で入力するには「xi」とします。「ぃ」となりますので、 F7 を押してカタカナに直せばOKです。


文字列の検索・置換というのもエディターやワードプロセッサの得意とするところです。検索は文章の中にあるキーワード(文字列)などを順次見つけだしていく機能で、置換は見つけ出したキーワードを別の文字列に置換するものです。これらの作業は目視による手作業では見落とし間違えてしまいがちですが、エディターの検索・置換機能を使えば瞬時のうちに正確に行うことができます。

mgedit では検索機能を、メニューの「検索→検索」から呼び出すことができます。それでは、前の項で入力した童謡を例にとって、検索機能を使ってみることにしましょう。

まず、文章の先頭をマウスでクリックします。通常、検索は現在の挿入ポイントから出発して探し始めます。次にメニューの「検索→検索」を選択します。すると、ウィンドウの一番下左側に「検索:」と表示されますね。「検索:」の右側に文字列を入力すると、それを探してくれます。日本語入力モードにして、「ちいさな」と打ち込んでみましょう。 Enterキーを一度押して確定します。

すると、最初に現れた「ちいさな」が反転します。検索機能を使って探し出した結果を表示しているわけです。さらにメニューの「検索→検索」を選ぶと、次に出現する「ちいさな」が反転します。このようにして、目的の場所に到達できるわけです。

「ちいさな」に続けて、例えば「こ」と打ち込んでみましょう。すると「ちいさなこ」は文章中に出現しないので、検索ができなくなります。この場合、ウィンドウ一番下には「検索(失敗中);」と記されます。


メニューの「検索→後ろ向き検索」を選ぶと、現在の挿入ポイントから文章の先頭に向かって調べていきます。必要に応じて使い分けましょう。

次に、文字列の置換を試してみましょう。手順は検索とよく似ています。メニューの「検索→置換」を選ぶと、ウィンドウの一番下左側が「置換元:」となります。ここに、探し出したい文字列を入力し Enterキーを押します。すると続いて、「置換先:」が表示されますので、元の文字列に代わるものを入力します。では、元の童謡の「ちいさな」を「大きな」に置き換えてみましょう。

まず、文章の先頭をマウスでクリックします。検索と同様に、置換の場合も現在の挿入ポイントから出発して探し始めます。次にメニューの「検索→置換」を選択します。すると、ウィンドウの一番下左側に「置換元:」と表示されますね。日本語入力モードにして、「ちいさな」と打ち込んで Enterキーを押します。

「置換元:」を記入した右側が「置換先:」という表示に代わります。ここに、元の文字列の代わりとなるものを記入します。ここでは「大きな」と入れてみましょう。すると、最初に現れた「ちいさな」が反転し、ウィンドウの一番下には「『ちいさな』から『大きな』へ置換(Y N Q . !)」と表示されます。日本語入力モードが解除されていることを確認して、キーボードの Y (Yes) を押してみましょう。反転していた「ちいさな」が「大きな」に置き換わり、次に出現する「ちいさな」が反転します。次に N (No) を押してみましょう。すると、反転していた「ちいさな」はそのままで次に出現する「ちいさな」が反転します。

 このようにして文字列を置き換えたい場所をひとつひとつ確認しながら作業を進めることができます。もし、残りすべてを「大きな」へと置き換えてよい場合は、 ! のキーを押します。 Q を押すと置換をしないで終了、 . (ピリオド)を押すと選択されている文字列だけを置換して終了します。

 有名な童謡を勝手に書き換えてはいけないので、一通り試してみたら保存しないで mgedit を終了します。


メニューの「検索→検索」という項目を選ぶとき、項目の右端に「Ctl+S」と書かれていたのに気づいたでしょうか?これは、キーボードの Ctrlキーを押しながら S のキーを押すことで、マウスで「検索→検索」を選ぶのと同じ結果が得られることを示しています。キーの組み合わせを覚えていれば、マウスを動かすよりも遙かに素早く検索を開始することができますね。こういった機能を「キーボードショートカット」と言います。メニュー項目を注意して見ると、多くのキーボードショートカットが用意されています。自分がよく使うメニュー項目のキーボードショートカットを覚えておくと、作業を効率的に行うことができます。「後向き検索」するキーボードショートカットは Ctrl+ R (reverse search )です。



NAGATO Yasushi 平成16年4月6日